防災×片付け:防災収納インストラクターが解説!

防災収納とは、日常の暮らしの中で災害に備える仕組みをつくること。
「災害の備えはしているつもりだけど、いざという時に役立つのか不安…」そんな声をよく聞きます。
防災収納は、片付け・安全対策・備蓄の3本柱でモノの配置や選び方を通じて、命を守る家づくりをサポートします。

家の中の安全対策

防災グッズを買っただけで満足していませんか?
そして、家の安全対策をナメてませんか?

震度7とは、家じゅうのあらゆるものが宙を舞う世界・・・
能登半島地震のとき、友人宅では電子レンジが宙を舞い、壁に穴が空いたそう。

本来は、自宅がいちばんの「避難所」のはずですよね。
自宅が安全なら、在宅避難がプライバシーも守られるし、トラブルも少ないベストな方法です。
*避難所はホテルじゃないです!むしろ逆!

そのため、私が常に広めたい考え方は、「片付けが命を救う!」ということ。
その理由をお伝えします。

なぜ「防災」と「収納」は一緒に考えるべきか?

片付けと防災。
別のジャンルに思えるかもしれませんが、実は根っこは同じです。

というのも、直下型地震(阪神淡路大震災や熊本地震など)では、家の中で亡くなる方が多いという現実・・・
阪神淡路大震災では、亡くなった方の8割以上が家屋倒壊・家具転倒等による圧死・窒息死によるものでした。

もしも、家の中を整えていれば・・・
もしも、その棚がなければ・・・

どうしても考えずにはいられないのです。

防災収納・整理収納アドバイザー

「家の中を整えること」は「生き延びること」
まさに、片付けが命を救う!と考えています。

また、その先にあるのが「備蓄・備え」です。
片付けが命を救うもの、そして備蓄は命をつなぐものです。

地震・台風・停電といった自然災害、そしてミサイルや水道管破裂などの人的災害が起こった時に、「すぐ取り出せるか」「安全に動けるか」「自宅で安全に過ごせるか」というのは、日常の収納にかかっています。

防災収納のプロ視点で見ると、キレイなお家が必ずしも安全とは限りません。
キッチンになんでも吊り下げてない?そのDIY大丈夫?
たまに、不安になるお家も見かけます。

備えは災害「前」にしかできません。
避難経路をふさがない配置、家族が迷わず使える収納、長引く避難生活を乗り越えられる備蓄、それが“命を守る収納”です。

防災収納」の3つの柱とは?

熊本地震の被災体験から生まれた「防災収納」という考え方。
心から安全安心な部屋にするためには、片付け・安全対策・備蓄のトータルサポートが必要です。

1.片付け

まず家の中のモノをベストな量にして、暮らしやすく・安全にすることが第一!
もしかしたら、不要な棚があるかもしれません。モノを減らせば、その分、安全対策の手間も費用も減ります。

2.安全対策

家具や家電が飛ばないように、そして倒れて下敷きにならないように、ベストな配置と安全対策が必要です。
転倒や落下を100%防ぐことはできません。でも、避難するための時間稼ぎはできますから!

3.備蓄

モノが減って片付くと、自然と備蓄スペースも生まれます。さらに、家の中に「安全スペース」も作れます。
備蓄の量は、家族が1週間分過ごせる量。さらに、備蓄食の内容な栄養まで考えられたらベストです。

こんな部屋は危険!

  • 散らかった部屋 → 避難遅れ・物の落下リスク・火事の延焼のおそれ
  • モノが多すぎる部屋 → 必要な物が見つからない
  • 見た目だけを整えた部屋 → 棚自体が転倒・安全という土台がぐらぐら
  • 備蓄ができない部屋 → 在宅避難できない
  • 安全対策できてない部屋 → 下敷き・閉じ込め・逃げ遅れのリスク

つまり、普段から正しく片付いている=非常時にすぐ動けるということ。
これは災害リスクの高い日本に住んでる限り、大切な“ライフスキル”です。

がんばらず、日常に溶け込ませる防災

わざわざお金と労力を使って備えなきゃ・・・と思うと気が重いもの。
そのため、日常に溶け込ませる防災(ローリングストックやフェーズフリー)の、がんばらない防災がおすすめ!
いま、国の方針も、こちらにシフトしてるんですよ。

  • ランタンや懐中電灯は枕元に
  • 非常食はキッチンじゃなくていい
  • 家族の避難バッグは1人1つ、避難ルートの途中に
  • 防災グッズは1箇所じゃなく、分散させて収納する

こうした小さな配置の工夫が、生死を分ける可能性があります。

初めてでも、今日からできる「防災収納」の3ステップ

1. モノを減らす(=危険を減らす)

モノの量と安全性は反比例!適正量まで減らすこと。
特に、背の高い家具・棚の上のモノは即チェックを。

2. 防災グッズや備蓄の必要量を知る

1週間分しのげる量を知り、足りなければ補充する。
さらに、防災グッズや非常食は分散収納で、リスクも分散させる。

3. “見直し日”をカレンダーに書き込む

備えて終わりじゃない!
防災グッズや備蓄の見直しは、半年に一度が理想。賞味期限・電池切れ・季節の変化に対応。
そのために、チェックリストで定期的にチェックを!

\防災収納・片付けサポートはこちら/

よくある防災の間違いとその対策

  • ❌ 防災バッグを奥のクローゼットにしまっている → ✅ 玄関や寝室など、逃げる導線上に
  • ❌ 大量に詰め込んで、取り出せない収納 → ✅ 使用頻度と重要度でグループ分けして配置
  • ❌ グッズを買ったけど家族が場所を知らない → ✅ 家族で一度“使う練習”をしておく(特に子ども)

防災収納のプロが教えるおすすめアイテム

Instagramで、おすすめ防災グッズや収納のノウハウを発信してます。

  • 100円ショップで買える防災アイテム
  • 防災ポーチの作り方
  • 非常用トイレのあれこれ、など

ぜひチェックしてみてください

\防災仲間とつながる月1回の防災コミュニティはこちら/

まとめ:家族を守る“整え方”の全体像

防災は、特別なことじゃない。
いつもの片付けに、ほんの少しの備えをプラス。
それが、未来の「安心」をつくる近道です。

あなたの家は、もしもの時に安全な場所になりますか?
まずは今日、1つだけでも動いてみましょう。


この記事を書いた人:松永りえのプロフィールはこちら

松永りえのプロフィール・経歴・実績など|防災収納インストラクター

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Profileプロフィール

松永りえ

防災収納インストラクター(セミナー講師、著者)
1983年 熊本生まれ 熊本大学卒業
著書3冊/雑誌掲載90誌以上/二児の母

・整理収納コンサルタント
・防災士
・防災共育管理士認定講師
・安全環境収納アドバイザー
・備蓄防災食調理アドバイザー
・防災子供管理アドバイザー
・動物防災管理アドバイザー
・防災シニア・ディスエイブルドアドバイザー
・災害共育支援コーディネーター
・防災キャンプアドバイザー
・方眼ノートトレーナー
・診療放射線技師

病院勤務時代から続けていた趣味のSNS発信をきっかけに「無印良品マニアのムジッコ」として書籍を出版、2015年に整理収納コンサルタントとして起業。しかし、2016年4月の熊本地震の際に、自宅のテレビは倒れ、天井のライトは割れ、命の危険を感じました。(整理収納アドバイザーなのに…)「安全に片付けないと意味がない!」と痛感し、防災士、防災共育管理士認定講師などの防災の資格を取得。現在は「災害に強い収納(防災収納)」を広めるために、セミナー、書籍、コラム、テレビ、雑誌など、幅広く活動している。

目標は、災害時に家の中で亡くなる人をゼロにすること!
産婦人科での勤務時代から10年以上女性に寄り添ってきました。
「大切な人を守りたい!」そう願う全ての人をサポートします。。

著書は3冊。雑誌掲載80誌以上。収納や時短ワザ、防災をテーマに10年以上綴っているブログ「良品生活」は月間最高150万PV、Instagramのフォロワーは現在7.7万人を超える。